がん治療 休職日記 毎日日曜日

がん治療で休職しました。休職後の生活の変化とがん治療、抗がん剤の副作用について書いています

がん治療 休職日記 毎日日曜日

 がん治療で、52歳の春、2021年4月から休職することにしました。

 サラリーマンは仕事にこだわる傾向があるようですが、病身の頑張りに会社が評価を付けることはありません。

 会社の評価を得るためには、会社事情をどれだけ果たせるかに依ります。例えば、18時に会議が終わり家の用事を果たすため帰宅するスケジュールがあったとします。その時、会議が延長して1時間延びたら、用事を果たせなくなります。「帰宅しても良いでしょうか?」延長した会議でそう言える人は少数派でしょう。

 当たり前のように延長に従うのではないですか。つまり、家の事情より会社の事情を優先する訳です。会議に限らずどんな場面でも、空間でも時間でも業務内容でも会社事情を優先するスタッフが優秀であるとの評価を得る権利を得るわけです。

 家の事情を優先する働き方を日常的に行えば、他のスタッフ・同僚の方が評価に値するとされ、順位が下がります。つまり、がん治療が始まり、パフォーマンスの下がったスタッフはどんなに頑張って、今までと同様にと思っても、評価を得ることはできません。頑張りを認められることもありません。治療という個人の事情を優先している以上、その頑張りより、かつてに比べパフォーマンスが下がったということのみが記録される訳です。

 

 どっちつかずで困るくらいなら、治療を優先しようと思い立ちます。命に関わることなので、当たり前と思いました。迷わず休職を選んだわけです。投薬の影響で、パフォーマンス、仕事の精度が落ち、上司から叱責を受けるくらいなら、休職は当然の判断と思いました。

 

 これが毎日日曜日の始まりです。治療の影響はあるものの、ストレスフリーの日々です。 体調の良い日、気持ちの良い日は、好きなこと趣味で過ごすことができます。理屈で考えるとサラリーマンの働き盛りの休職はマイナスイメージ、不利な状態と思うでしょう。しかし実際は違います。多少の不便はあっても国の制度に救われ、生活に困ることはないし、家族との会話は増えるし、子育てで意見をいう機会も増えました。会社に集中する代わりに家族に集中することができています。同時に自分に集中できています。

 毎日日曜日は、加えて今までのサラリーマン生活の棚卸しもできて一石二鳥以上の効果があります。私と同じように病と仕事の両立が難しいと感じる方には迷いなく休職生活を勧めます。人生への向き合い方が変わり、かえって新しく始まった人生への興味の方が、かつての自分の人生より深くなると思います。