がん治療 休職日記 毎日日曜日

がん治療で休職しました。休職後の生活の変化とがん治療、抗がん剤の副作用について書いています

がん治療 休職日記 毎日日曜日 上を見る上司

 サラリーマンは上司により働く環境が大きく左右されます。

 優秀な上司、無能な上司ではなく、上を見る上司の話。ちなみに自分の子供には下見て歩くな、大きな空、上見て歩けとよく言ったものでした。ただ、サラリーマンで上ばかり見る人が上司の時は辟易します。

 

 企画立案の内容や実施済み企画の反省、次期営業計画など、現場の情報より社の執行部の更にその上の上司の考えを優先します。実現不可能とか、企画倒れになるのではとかどうでもいいのでしょう。兎に角上司がどう考えるかが優先。

 配下の中間管理職はたまったものではありません。現場と上司との間に挟まり、誰も納得できない内容を、薄っぺらな理由で現場に説明、現場に動いてもらいます。そんな時は職場は不満を醸造する場所と化しています。指示に基づき動いても関わる全員が納得するわけではないし、納得しない数の方が多い時は、中間層はひたすら困るものです。

 

 上見る上司は、現場のそうした声や、企画立案、計画、現場で起こっていることは無視します、というより優先順位が兎に角低い。また同様に上ばかり見て自分に共感する部下の進言や現状分析については優先します。会社を動かす証拠になるような現象でもおべっか使いの言葉の方を信じ、自分と同じ意見ということでの共感がるのでしょう。

 

 自分が上を見て仕事をするので、上を見る態度の部下がかわいいと思うのは自然、価値観が一緒です。現場で起こる本当のことなんてどうでも良いという価値観。そういう上司は得てして部下の状況には興味がありません。上層の執行部の上司の一言一句は覚えていても、部下の診療スケジュールなどはすぐに忘れ、部下は何度も同内容を報告することになります。

 

 中間管理職の私はというと自分で考え、自分で課題を見つけ、自分なりに解決策を見つけ実施できるようにとしか考えないスタッフでした。状況やマーケットの変化から本来どうすべきか、その姿を求めるので計画に齟齬があるなら期中でも修正してより良い方向に事を運びたいと考えるます。上司がどうこうより、進んでいる計画なり現場の状況なりが優先です。そうなると自身の上司とは優先するカテゴリーが全く異なり、相性が合いません。 

 

 真逆の上司もいます。そういう上司の下では仕事がしやしやすい。最新情報を伝え、期中の計画修正を進言すると、上層の上司を一緒に説得しに行ってくれます。現場で起こる齟齬がそうした修正で改善されます。現場も息を吹き返します。結果も良くなります。目の前の課題を最新情報で更新するのですから当たり前なのですが、一度決めたことを変更して、現状をより良くしようなんて、手間のかかる仕事に加勢してくれる上司は、はっきり少数派でしょう。

 

 休職する時、業務や部下の事情に理解のある上司の元では休職は取得しづらいです。抱える事情を考慮し、色々と対応してくれるから。会社の事情と治療という個人の事情の間を調整してくれます。

 

 部下に興味のない上司なら、自身が色々各部署を立ち回った事への謝礼を求められ、感謝を強要されるくらいです。そうならときっちり休職取得できます。何も気にすることはありません。 

 

 ただ、休職のお陰で世界が広がりました。会社の事情を常に考え、優先することだけが人生ではないと素直に思えるのです。私も会社人間、仕事人間であった時期がありますが、今の方がより柔軟です。つまり豊かです。

 世間では休職なんてマイナスなイメージなのでしょうが、かえって豊かさを獲得できました。