がん治療 休職日記 毎日日曜日

がん治療で休職しました。休職後の生活の変化とがん治療、抗がん剤の副作用について書いています

がん治療 休職日記 毎日日曜日 親思う心にまさる親心

 初めてがんになった時のこと。

 

 私は、掛かり付けの病院の検査でがんとわかりました。そのまま入院、大きな病院に転院までの処置でした。その5日間の間に実家の両親が見舞いに来たのです。

 

 父は言います「健康に生んでやれず悪かった」。ただがんは今では2人に1人の病気。気にやむことではありません。老齢に両親は東京まで来るには大変だったろうと、その方が私には気になったものです。

 

老齢な両親でも私はその子。中年となった40代後半の息子でも気になるのでしょう。しばし病床にいて帰っていく両親の小さくなった感じだけが記憶に強く残ります。

 思い返すと両親は私達兄弟の健康の心配ばかりしていました。子供の頃から健康を気にしてもらいながら私は成長して、今また健康で両親に心配をかけます。

 

 がんとは時めて聞いた時、私は自身の人生もここまでかと思いました。きっと両親も心の中では同じだったと思います。その時、先に逝く私は両親に何をしてあげられるでしょう。ベットの上で真剣に考えます。そして、その時思いつきます。

 

 「そうだ、先にあの世に逝くのだから、先に祖父母に会って、両親の伝言を伝えよう。そして、両親のどっちかが先か分からないが、お迎えが来た時、私もその中にいて、あの世からのお迎えだと分かり易い存在として役立とう」と。

 

 実は、両親が帰る前に、「じいちゃんとばあちゃんに伝言があれば、先に逝って伝えるよ、しっかりあの世伝えるから、そして、お迎えの時には僕が迎えに来るから分かりやすいよ」と。

 両親はキョトンとしていましたが、まぁ言いたいことは分かった。兎に角これからの身体を大事にしろと、そういう内容で切り返されたと記憶しています。

 

 「親思う心にまさる親心」とはよく言ったものです。私も一児の父ですが、その親心を持つでしょうか。反発して好き勝手して生きていた時もあります。実家を兄に任せ、東京で1人働いて改めて家族を持ち住処を持ち子を持ったのです。

 

 私も私の息子に、私の両親が持っていた親心を持って成長を見ていきたいと、思うのです。