がん治療 休職日記 毎日日曜日

がん治療で休職しました。休職後の生活の変化とがん治療、抗がん剤の副作用について書いています

がん治療 休職日記 毎日日曜日 かつての自分に戻れるか

 がんとなって最初、仕事しながらの治療をしました。いわゆる「ながら治療」です。

 

 ただ、最初の抗がん剤治療は私の知識不足で、酷いものでした。体重も11kg減りましたし、下痢や嘔吐、倦怠感や疲労感へ対処も大変でした。食べるものも食べられず自分でもどうなるんだろうと、不安というか先のことが分かりません。

 

 そんな中、主治医から減薬と飲み薬の変更の提案を受けます。今なら自分から相談できる内容ですが、その時は言われるまで副作用を我慢するものと思っています。

 変更後急に楽になります。痩せたとはいえ動けますし、食事も喉を通ります。そうすると人間欲が出るもの。会社戻って以前を取り戻そうとするのです。私もまた同様で、身体の事情を伝えながらも時間を決め社に復帰します。

 

 いない時間は会社に迷惑をかけました。なので余計に社に戻ってその分を取り返そうと思います。少しづつ勤務時間を伸ばし元に戻そうと努力。その間抗がん剤治療は続けながら、切除手術まできっちり勤務しようと思います。

 

 自分としはできる限りのことはしました。今までの自分を取り返せそうと躍起です。

 ただ実際は、身体に起きたことを考えると同じ訳がないのです。切除手術と術後の療養を終え、社に戻った時、多くの同僚は私の体調に気を配ってくれました。私も精一杯頑張ろうと思いながら、現実、無理できないことも十分に承知しています。

 

 そして分かります。私が考えていたのは。「今の自分と過去の自分との比較」だと。世の中生きていくのに、他人と比較するなと言われます。私の場合は他人との比較ではなく自分の比較です。ただ、明確に今までとは違う身体でありながら、自分の過去との比較をしてしまったのです。

 

 本人の気持ちや精一杯取り組んだという満足感を手に入れても、実際としては、社の評価は得られません、今までと稼働が違うのですから当然です。30年近くサラリーマンをやってきて知っていたはずの現実があります。つまりは評価を見てがっかりしてしまったのです。

 

 過去に戻れる訳はないし、もちろんダメージを受けた身体も元には戻りません。そこからできることを新たに考える人生があるのみなのです。比較は正しく行わないといけません。かつての自分には戻れないのですから。

 

 そんな明らかなことを自分に改めて言い聞かせます。そして、だからこそ自身の世界が広がったと今は思います。